プリグラ備忘録 『プリコネ!グランドマスターズ』が最高のゲームだった話
「プリコネ!グランドマスターズ」はCygamesから「プリンセスコネクト!Re:Dive」を原作として所謂エイプリルフールネタの一環としてリリースされた期間限定のアプリ。
このゲーム、異常なまでに完成度が高くリリース初日から二日間は社会から要請されるあらゆる義務を放棄して遊び続けていた。
土曜日からは別のゲームのβテストが始まった為、どちらを遊ぶか少し悩んだが、すでに発売が決まってるゲームのβテストと、今後一生遊べなくなるかもしれないゲームを天秤にかけた結果プリグラを選んだ。平日になると流石に土日ほどの時間は取れなかったがそれでも毎日配信終了まで楽しく遊ばせていただきました。
先に断っておくと、この記事ではプリグラの攻略に関することには基本的にあまり触れるつもりはない。
僕は別にゲームが大して上手くないし、このゲームの正解みたいなものを探していたわけじゃなく、あくまで怠惰に笑いながら「マコトがつえぇw」とか「やっぱり"コスモブルーフラッシュ"なんだよなぁ」とか言いながら楽しく遊んでいただけに過ぎない為。
さらに言うなら多くの人にとってプリグラはラースドラゴンを倒してエンディングを見たらゲームクリアであり、それで充分楽しいゲームだったと思う。ゲーム開発者達は期間限定配信のゲームを50時間以上も遊び、攻略に及ぶような超積極的なユーザーだけを対象にゲームを作っているわけではないことは言うまでもない。
こんなブログを読んでいる奇特な人間には今更かもしれないが、プリグラは「オートチェス系」とか「オートバトラー」とか呼ばれるジャンルのゲーム。元々DOTA2のMODとして3年くらい前に世に出たゲームで、後発のタイトルだとRIOTのTFT(チームファイトタクティクス)なんかは名前ぐらいなら目にしたことがある人も多いんじゃないだろうか。ハースストーンのバトルグラウンドは…またちょっと違うかもしれないが似たような面白さを内包してるゲームではあると思う。
プリグラは上記のゲームの中だと大元のDotaAutoChessの色を濃く受け継いでいるゲームだったと思うんだけれど、ただのクローンゲームではなくよりゲームを面白くする為のサイゲームスらしい色んな工夫が組み込まれていたと思う。
プリグラは何がすごかったかを考える
まず上に挙げたDotaAutoChessやTFTなんかは基本的に一試合30分以上かかるのが、プリグラでは一試合が20分程で終わるように設計されていたのが印象的だった。
一概にプレイ時間が短ければ他のそれより優れているということではないが、スマホ用にリリースされたゲームでもあるし、このジャンルの既存のゲームに比べれば気軽に遊びやすいプレイ時間になっていたと思う。
準備フェーズの時間も最初は短いかな?と感じたりもしながらやってたけど一週間もすればなんとなく慣れてきて、初日は「間に合わねぇ・・・」だったのが最終日付近になると「間に合えええぇ!」とか叫びながら最低限の動きができるようになってたのも学びを感じることができてよかった。少なくともユニットバッチを使いたいユニットに間に合わせられるぐらいにはなっていた。
時間制限があるから間違えるし、難しくなるというのはこのジャンルの共通する面白さでこの辺りは絶妙な調整だったと思う。
他にも金利の清算のタイミングがラウンドを跨がない時点で発生したりすることや、戦闘中にもユニットからユニットに装備の付け替えできるみたいな、挙げればいくつも出てくるんだけど総じて準備フェーズが短くなっててもその弊害を少なくしている、結果としてコンパクトにしてもゲームとしての面白さが損なわれてないというのははっきりいってめちゃくちゃよくできてる。作った人達は天才だと思ういやまじで。
一方でプレイ時間が短くなってるせいで起きているゲームバランス的な問題を感じる瞬間も少なからずあり、この辺りは調整がすごい難しそうだなとも思った。
ただこれは開発した人も当然認識しているだろうし、このゲームはプリンセスコネクトをプレイしていてこのジャンルを遊んだことない人がメインのターゲットだったと思うから、オタクのゲームハックみたいなものをそこまでケアしなくてもいいという感はある。
ゲーム内で見れる図鑑から各ユニット、装備の詳細なんかが見れるのもすごくてさらにその完成度が意味不明。動画付きで全ユニットの解説なんかついてるの流石にすごすぎて吹き飛ぶしかない。オタクは見てないと思うけどプリコネの公式チャンネル的な奴から遊び方講座みたいなのも公開されてて原作プリコネ勢も気軽に遊べるような努力が散見されるのもサイゲームスらしい。
あとちょっと残念だったところを挙げるなら友達と遊ぶモードが実装されてなかったことだったりする。いや、期間限定無料のアプリにそこまで求めるなよと言われるのは分かるんだけれども。
対戦ゲームのランクマッチに取り組む楽しさも勿論理解してるし、僕もそれなりには対戦ゲームの攻略を考えたりしてゲームが上手くなることに楽しみを見出す方だと思うけど、このジャンルに限って言えば少なくとも僕は黙々と一人でランクマッチにキューを入れ続けるより、気の置けない友人と笑いながら一緒に遊んでるときの方が好きだ。
プリグラでもゲーム画面を友人に共有してもらって何人かで神から目線からごちゃごちゃ言ってるのは楽しかったし、プリコネ原作を遊んだことがない友人に「”あの"牧場(エリザベスパーク)をご存じでない?」とか「そのシオリちゃんと誰が姉妹か"知らず"か?」みたいな雑なマウントを取れたのは笑えた。いつかこのゲームも友人と遊ぶことができたらいいなと思う。
総括
このジャンルのゲームが出てきてハマってた経験のある人なら一度は皆「サイゲームスがこのジャンルで一本ゲーム作ってくれねぇかな」って考えたことがあると思うんだよね。それから大分時間も経って流石にないんだろうなと思ってたら急にかなりの完成度のゲームがリリースされたのは衝撃だった。
「☆3ぺコリーヌ」がこの世に実現したことは本当にすごいことだと思う。
なによりすごいと思ったのはこのゲームの開発スタッフにはこのジャンルのゲームを好きな人がいて、かつゲーム理解度がちゃんと高い人がいるというのが伝わってきたところ。
「サイゲームスは体力があるからこんなゲームも作れる」みたいな意見は勿論そうなんだけれど、それだけじゃこれだけのゲームは作れない。間違いなく。
なんていうかそれはとても良いことで、ちょっとだけ救われる話な気がした。
実際このゲームがリリースされるかどうかとかはよくわからない。7:3されない有利ぐらいの感覚がある。
それでも2022年4月1日から1週間という短い間だったかもしれないが、すごい開発スタッフのすごい努力の上に存在していたすごいゲームがあったということを残しておきたくてこのブログを書いた。
少なくとも僕にとって「プリコネ!グランドマスターズ」は最高のゲームでした。サンキューサイゲームス。
野球盤
流石に何十時間も遊び倒して一銭も払わないのはどうかと思ったので、ゲームのメインメニューから飛べるサイゲームスの通販サイトで
買った。 そして届いた。
当然ながら一緒にリアルで遊べそうな友達はいない。
誰か僕と遊んでください。